長距離ドライバーは稼げると聞いて興味を持つ方も多いでしょう。確かに高収入が魅力ですが、その裏には過酷な現実が隠れています。
長時間の運転で腰痛や肩こりなど慢性的な疲労が生じやすく、常に孤独と隣り合わせで精神的なストレスも蓄積します。家族との時間やプライベートも犠牲にしなければなりません。
長距離ドライバーになるのは、「やめとけ」という言葉が出るのも無理はありません。しかし、「他の仕事に比べて稼げる」「自分のペースで働ける」といった魅力があることも事実です。
この記事では、長距離ドライバーが「やめとけ」と言われる理由や、ドライバーの過酷な現実と辞めた理由、続けるための対策を紹介します。
長距離ドライバーが「やめとけ」と言われる理由
- 眠気との戦いが大変
- 拘束時間が長く、数日間家に帰れない
- 事故に巻き込まれる可能性が高い
- 不規則な生活で体調管理が難しい
- 経費がかかる
- 腰痛などの健康リスクが高い
- トイレや休憩所を探すのが大変
トラックの長距離ドライバーが「やめとけ」と言われる理由はいろいろあります。ここだはトラックドライバーとして大変なこと7つを解説していきます。
眠気との戦いが大変
長距離ドライバーにとって、眠気との戦いは最大の課題の一つです。
長時間の運転は体力的・精神的に負担が大きく、集中力や判断力を低下させ、事故のリスクを高めます。深夜や長時間の連続運転では特に危険です。
カフェインや休憩で眠気を防ぐことは推奨されますが、厳しいスケジュールの中では難しいのが現状です。十分な休息と睡眠が重要ですが、現実には難しいケースも多く、適切な休憩の計画や運転スケジュールの見直しが必要です。
しかし、多くのドライバーは厳しい納期や労働条件に縛られており、これらの対策を取ることが困難な状況です。この過酷な現実が、「長距離ドライバーはやめとけ」と言われる一因となっています。
拘束時間が長く、数日間家に帰れない
長距離ドライバーの仕事は、拘束時間が非常に長く、数日間家に帰れないことが多いです。このため、家庭生活やプライベートな時間を犠牲にすることになります。
そのため、家族とのコミュニケーション不足や、子供の成長を見守れないなどの問題が生じる可能性があります。特に、小さな子供がいる家庭では、父親や母親としての役割を果たすことが難しく、家族との絆が薄れてしまうケースも少なくありません。
また、長時間の運転と不規則な休憩は、心身の健康にも悪影響を及ぼします。運転中は常に集中力を保つ必要があり、精神的な疲労が蓄積します。
事故に巻き込まれる可能性が高い
長距離ドライバーは、事故に巻き込まれるリスクが高い職業です。
長距離ドライバーは、長時間運転による疲労と集中力低下、悪天候、大型車両の操作難しさなど、多くのリスクを抱えています。
雪や雨などの悪天候下での運転も珍しくありません、特に凍結路面はスリップ事故のリスクが高まります。
大型車両はブレーキが効きにくく、停止距離も長いため、突然の飛び出しや急ブレーキには対応しづらく、重大な事故に繋がりやすいです。
このように、様々な要因が重なり、長距離ドライバーは常に高い注意力と技術を維持しなければならず、肉体的にも精神的にも大きな負担を強いられる職業なのです。
不規則な生活で体調管理が難しい
昼夜を問わず運転する長距離ドライバーは、規則正しい生活リズムを維持することが困難です。
深夜の食事は消化器系への負担となり、栄養バランスの乱れに繋がりやすいです。また、長時間の運転による睡眠不足は、集中力の低下、事故リスクの増加、さらには免疫力低下やストレス増加に繋がります。
さらに、長時間の運転は、体を動かす機会を奪い運動不足に陥りやすいという問題も抱えています。運動不足は、筋力低下、肥満、生活習慣病のリスクを高め、長時間座りっぱなしの姿勢は腰痛や肩こりを引き起こす原因となります。
このように、長距離ドライバーは不規則な生活によって、食事、睡眠、運動の3つの面で健康を損なうリスクを抱えています。
経費がかかる
社員ドライバーなら経費は会社が負担してくれます、ここでは個人ドライバーの場合の話です。
まず、燃料費が大きな負担となります。1日あたりの走行距離が長いため、燃料の消費量も多く、これが経済的負担を増大させます。加えて、高速道路の通行料金も無視できません、長距離になればなるほど高速料金は高額になります。
また、車両のメンテナンス費用も重要です。タイヤ交換やオイル交換や定期的な点検など、車両を安全に運行するためには欠かせないメンテナンスが多く、その費用も高額です。これらの費用は、長距離走行による車の消耗が大きいため、頻繁にかかります。
さらに、自動車保険料や税金も見逃せません。事故やトラブルに備えるための保険料や車両税の支払いも、年間でかなりの額になります。
このように個人のドライバーの場合、燃料費、高速料金、メンテナンス費用、保険料、税金など、多くの経費がかかるため、経済的な負担がおおきくなりがちです。
腰痛などの健康リスクが高い
長時間同じ姿勢での運転は、腰や背中に大きな負担をかけ、腰痛を引き起こしやすいだけでなく、血行不良によるむくみや静脈瘤のリスクも高めます。
さらに、路面の振動は背骨や筋肉に負担をかけ、腰痛や筋肉障害を引き起こす原因となります。運転中の姿勢も問題で正しい姿勢を維持するのが難しいため、腰や首、肩の痛みを招きやすくなります。
長距離ドライバーは休憩時間も限られているため、適度な運動を取り入れるのが難しくこれらの健康リスクを軽減することが難しいのが現状です。
トイレや休憩所を探すのが大変
長距離運転では、トイレ休憩や食事休憩のタイミングが限られてしまいます。特に、高速道路を走行している場合は、サービスエリアやパーキングエリアしか休憩場所がありません。これらの施設は、時間帯によっては混雑し、トイレ待ちや駐車場待ちで時間がかかってしまうこともあります。
また、地方の道路を走行している場合はトイレや休憩所が少なく、見つけるのが大変な場合があります。特に、夜間や早朝は営業していない店も多く、トイレ休憩に苦労するケースも少なくありません。
長距離ドライバーは時間厳守が求められるため、トイレ休憩や食事休憩を短時間で済ませなければなりません。そのため、ゆっくり休むことができず、体調管理にも悪影響を及ぼす可能性があります。
長距離ドライバーの過酷な現実
長距離ドライバーの過酷な現実は、想像以上に厳しいものです。
- 長時間労働でプライベートが犠牲に
- 体力と精神力の消耗が激しい
- 孤独とストレスの蓄積
トラックドライバーとしてキツイ3つのことを解説していきます。
長時間労働でプライベートが犠牲に
長距離ドライバーは一度出発すると数日間家に戻れないことも多く、家族や友人との時間が極端に少なくなります。週末や祝日に仕事が入ることも多く、家族のイベントや友人との集まりに参加するのが難しいです。
家族とのコミュニケーションが減少することで家庭内の関係が悪化することもあります。
運転時間が長く、趣味やリラックスする時間を確保するのが困難で、精神的なストレスが蓄積しやすくなります。
さらに、長時間労働によって体力が消耗し、帰宅後に十分な休息を取ることができず、慢性的な疲労感に悩まされることが多いです。特に、運転中の集中力を維持するためには十分な睡眠が不可欠ですが、それが取れない状況が続くと事故のリスクも高まります。
体力と精神力の消耗が激しい
長距離ドライバーは、長時間運転による身体と心への負担が大きいです。
腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みが発生しやすく、血行不良による疲労感も増大させます。精神的なストレスも深刻で、孤独感による精神的な疲労や運転中の緊張状態によるストレスが蓄積されます。
休憩時間の確保も難しく、十分な休息が取れないことで体力の回復が遅れ、集中力や判断力が低下し事故のリスクも高まります。さらには、経済的なプレッシャーも加わる場合は、長時間働いても十分な収入を得るのが難しい状況が精神的な負担をさらに増加させています。
孤独とストレスの蓄積
長距離ドライバーの過酷な現実には、孤独とストレスの蓄積があります。
長時間一人で運転することが多く、孤独感が増しメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。夜間の運転や長時間の移動は特に孤独感を強め、人と直接話す機会が少ないため孤立感が強まります。
また、運転中の緊張状態が続き、交通状況や天候、道路の状態に常に注意を払う必要があるため、精神的な負担が大きいです。荷物の配送時間に追われるプレッシャーも加わり、ストレスが増大します。休憩時間が限られ、リフレッシュの機会が少ないためストレスの解消が難しく、疲労が蓄積しやすいのです。
さらに、家族や友人との時間が減り、社会的なつながりが薄れることで孤独感が一層強まります。家庭での問題や個人的なストレスを共有する機会が減少し、メンタルヘルスの問題が深刻化することもあります。
長距離ドライバーを辞めた理由で多いのは?
長距離ドライバーを辞める理由は様々ですが、多いのは健康面、収入面、プライベート面での悩みです。
例えば、長時間運転による疲労やストレスから体調が悪化し、仕事に集中できなくなった人も少なくありません。また、収入面では、思ったよりも稼げなかったという理由で辞める人もいます。さらに、プライベートでの予定が立てられないという理由で辞める人もいます。長距離運転の仕事は、事前に予定を立てるのが難しく、家族や友人との予定を合わせるのが難しい場合があります。
次に、長距離ドライバーを辞める理由として多いものを解説していきます。
体調が悪くなったから
長距離ドライバーが仕事を辞める主な理由の一つに体調不良があります。
長距離ドライバーは、長時間の運転や不規則な生活による体調不良に悩まされがちです。睡眠不足、運動不足、食生活の乱れ、ストレスなど、様々な要因が複合的に作用し健康を損なうことがあります。
睡眠不足は免疫力低下、心臓病や高血圧のリスクを高め、運動不足は筋肉の硬直や腰痛を引き起こします。食生活の乱れは肥満や糖尿病のリスクを高め、ストレスはうつ病や不安障害などのメンタルヘルス問題を引き起こす可能性があります。
これらの健康上の問題が深刻化すると仕事継続が困難になり、長距離ドライバーを辞める決断に至るケースも少なくありません。
思ったよりも稼げなかったから
長距離ドライバーは、自由な働き方や高収入が魅力的な仕事ですが、、実際には思ったよりも稼げないという現実もあります。
長距離ドライバーの収入は、運行距離や運送会社の規模や積み荷の種類によって大きく異なります。走行距離や荷物の量に応じて収入が変動するため、予期せぬトラブルや待機時間が発生すると収入が減少します。
さらに、燃料費や車両の維持費など、自分で負担しなければならない経費が多いことも影響しています。
運送会社の経営状況が悪化したり、競合他社との価格競争が激化したりすることで、運賃が下がるケースも少なくありません。
プライベートでの予定が立てられなかったから
長距離ドライバーが辞める理由の一つに、プライベートでの予定が立てられなかったことがあります。
長距離ドライバーは、仕事柄、長時間の運転や頻繁な出張が求められます。そのため、家族や友人と過ごす時間が少なくなり、プライベートでの予定が極めて立てにくいのです。
クリスマスや年末年始などの重要な行事でも、仕事が優先されるケースが多く、大切な時間を家族と過ごすことができません。さらに、突発的な仕事の依頼やトラブルによって、予定していた休暇やイベントがキャンセルになることも多く、友人との約束や家族との計画が立てにくくなりがちです。
また、休暇の日数やタイミングは運送会社の都合によって決まるため、自分の希望通りに休むことが難しいのも悩みです。このような状況が続くと、プライベートの充実感を感じられず、仕事に対するモチベーションが低下し、転職を決意するドライバーも少なくありません。
長距離ドライバーを続けるための対策
長距離ドライバーは、健康面、精神面、プライベート面などでの課題に直面しがちです。そこで、規則正しい生活習慣、コミュニケーション、家族との時間確保など、これらの問題を克服するための対策が重要になります。
次に、長距離ドライバーを続けるための対策を紹介します。
健康管理に気を付ける方法
長距離運転は健康に大きな影響を与えるので、健康管理は長距離ドライバーにとって非常に重要なことの1つです。健康を維持するためには、食事、睡眠、運動の3つを意識することが大切です。
規則正しい食生活、適度な運動、十分な睡眠、水分補給、そして定期的な健康診断を心掛けることで、安全に、そして長く仕事を続けることができます。
バランスの取れた食事を心がけ、休憩時間にはストレッチやウォーキングを取り入れましょう。また、十分な睡眠時間を確保し質の高い睡眠を得ることが大事です。こまめな水分補給も忘れずに行い、定期的な健康チェックで早期に異常を発見することが大切となります。
車内を快適な空間にする工夫
長距離運転では、車内環境が快適かどうかが疲労やストレスに大きく影響します。快適な車内環境が疲労軽減と安全運転に繋がるのです。
運転席は自分に合った位置に調整し、腰痛対策にはクッションを活用。室温調整も重要となります、温度調節機能付きのシートや通気性の良いシートカバー、車内用扇風機やヒーターなどを活用して快適な温度を保ちましょう。
車内を整理整頓し、好きな音楽などを良い音で聴ける環境を整えれば、気分転換になり長時間の運転も快適に過ごせます。休憩時には、ベッドや簡易ベッドを設置して、質の高い睡眠や休息をとれるようにしましょう。
空き時間を有効的に活用する方法
長距離運転では、休憩時間以外に多くの空き時間が発生します。この時間を有効活用することで、疲労軽減やスキルアップに繋げられる貴重な時間となります。
車内でできる軽いストレッチでリフレッシュしたり。音声コンテンツを活用し、語学学習やビジネススキル向上に役立て、オーディオブックで読書を楽しむのもおすすめです。
休憩時間には、短時間仮眠を取り集中力回復を図りましょう。デジタルデトックスの時間も設け、目を休ませ心身をリフレッシュしましょう。さらに、日記やジャーナルをつける習慣をつければ、自己管理能力を高められます。
長距離ドライバーはやめとけに関する疑問(Q&A)
長距離ドライバーはやめとけに関する疑問を、Q&A方式にして紹介します。
トラック運転手が人気がない理由は何ですか?
トラック運転手が人気がない理由は、長時間労働と体力的負担が大きいこと、孤独を感じやすいこと、賃金が低いこと、そして厳しい規制が多いことにあります。これらの要因が、トラック運転手という職業を敬遠される理由です。
長距離ドライバーは何歳まで働けますか?
長距離ドライバーに年齢制限はありませんので、何歳でも働くことができますが、体力と集中力が求められるため、高齢者には難しい場合があります。
長距離ドライバーの平均月収はいくらですか?
長距離ドライバーの平均月収は、具体的なデータが不足しているため正確にはわかりません。
2022年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)PDFに、2022年度のトラックドライバー(けん引・大型・中型・準中型・普通)の月収が書かれていますが長距離ドライバーのデータは載っていません。
大型トラックの年収はいくらですか?
2021年のデータですと、大型運転職の年収は約468万円。大型運転職月収 390,015×12ヶ月=4,680,180円。
参照トラック運輸産業の賃金実態 PDF
まとめ
長距離ドライバーはやめとけと言われる理由と、その対処法などをまとめました。
- 眠気との戦いが大変
- 拘束時間が長く、数日間家に帰れない
- 事故に巻き込まれる可能性が高い
- 不規則な生活で体調管理が難しい
- 経費がかかる
- 腰痛などの健康リスクが高い
- トイレや休憩所を探すのが大変
トラックの運転手になるのをやめとけと言われる理由の一部です。
- 長時間労働でプライベートが犠牲に
- 体力と精神力の消耗が激しい
- 孤独とストレスの蓄積
長距離ドライバーの過酷な現実には上記のようなものがあります。
- 体調が悪くなったから
- 思ったよりも稼げなかったから
- プライベートでの予定が立てられなかったから
長距離ドライバーを辞めた理由で多いものです。
- 健康管理に気を付ける
- 車内を快適な空間にする工夫
- 空き時間を有効的に活用する
長距離ドライバーを続けるための対策は上記のようなものがあります。
長距離ドライバーはやめとけと言われる理由やその対処法を紹介しました。
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